横浜の税理士、上大岡の税理士、江口達郎のブログです。今回は源泉所得税の申請書関係のひとつである「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」についてです。

これは以前に、「個人事業主が開業した際に必要な書類。」の記事を書いた際に提出すべき書類のひとつとして紹介しました。個人事業主が開業した際に必要な書類と書きましたが、法人においても開業した際に必要な書類でもあります。

源泉所得税は本来、例えば4月1日~30日までに支払った給与に対する源泉所得税は、翌月10日までである5月10日までに「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」に給与の総支給額や人員・源泉所得税額を明記のうえ、税額がある場合には納付し、ない場合でも税務署に毎月提出しなければいけません。しかし、この「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出すると、1月~6月末分を7月10日までに、7月~12月末分を翌年1月20日までに納付、つまり年に2回だけまとめて納付すればよいことになります。

ただし、従業員数が常時10人未満の場合のみこの適用が受けることができます。ここでいう「常時10人未満」とは、平常の状態において10人に満たないということであって、多忙な時期等において臨時に雇用する人がいる場合は、その人数を除いた人数が10人未満となります。なので、繁忙期に手伝ってもらったバイトさんはカウントしなくても大丈夫です。常時10人以上となった場合には、税務署に「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなった場合の届出書」を遅滞なく、所轄の税務署に提出してください。

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ここで気をつけたいのが、特例を受けることができる源泉所得税の種類は、この納付書に記載することができる「給与等及び退職手当等」と「税理士、弁護士、司法書士等の報酬」にのみ適用できます。講演料や原稿執筆料の報酬やプロ野球選手に支払う報酬、保険外交員や検針人への報酬、俳優やホステスや芸能人への報酬等は「報酬・料金等の所得税徴収高計算書」という別の納付書を使って納付を行うので、適用することができません。

この申請書を4月中に提出した場合は、4月支給分の給与等は5月10日までが納期限となり、翌月以降から特例が適用されます。なので、5.6月支給分の給与等は7月10日までが納期限となります。

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毎月支払う一般分の納付書と、半年ごとに支払う特例分の納付書は様式が違いますので、注意してください。申請書、届出書の書き方や納付書の書き方等は個々によって違う場合もありますので、詳しくはご相談ください。