横浜の税理士、上大岡の税理士、江口達郎のブログです。今回は所得税についてです。

まずは税率から。所得税は分離課税に対するもの等を除くと累進課税といって、課税される所得金額によって税率が変わってきます。所得の少ない人からは少なく、多い人からは多くとるという考え方です。平成27年分以降は以下の税率となっています。

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

国税庁ホームページより

例えば課税される所得金額(所得税の申告書の第一表㉖の額)が500万円である場合は、500万円×20%-427,500円=572,500円が所得税額となります。税率20%のラインにいて500万円×20%で100万円が税額というわけではないので、そのまま反映されるというわけではありません。厳密な計算方法は195万円×5%+(330万円-195万円)×10%+(500万円-330万円)×20%=97,500円+135,000円+340,000円=572,500円となっています。これが所得が段階的に上がっていく累進課税の考え方です。

これに対してさらに、平成23年に発生した東日本大震災の復興のための施策を実施するために必要な財源を確保するために創設された「復興特別所得税」が所得税額に2.1%一律に賦課されます。期間は平成25年から平成49年の25年間です。先ほどの例で行くと572,500円×2.1%=12,022.5円で端数は切り捨てなので12,022円となります。

なので、課税される所得金額が500万円の場合は572,500円+12,022円=584,522円となり、100円未満の端数は切り捨てなので、申告納税額は584,500円となります。

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次に所得区分についてです。所得税法では、所得の性格によって10種類に区分しています。利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得の10種です。同じお金が入ってくるのでも、汗水たらして働いた給与所得と懸賞金が当たったりした一時所得では、性格が違うものとして計算するという考え方です。

各種所得の収入金額から必要経費や控除額を引いた金額が所得金額となり、その所得金額の合計額を求めます(所得税の申告書の第一表⑨の額)。所得金額から差し引くことのできる社会保険料控除や生命保険料控除、扶養控除、基礎控除等の控除の合計額(所得税の申告書の第一表㉕の額)を求め、上段の所得税の速算表の下で書いた、課税される所得金額(所得税の申告書の第一表㉖の額)を⑨-㉕で求めて所得税額の計算に移ります。

さらにそこで計算した税額に対しての税額控除である、住宅借入金等特別控除や政党等寄付金等特別控除を差し引いて、所得税額を確定します。そこから、源泉されていた所得税額や予定納税した額を組み込んで、納める税金を求めます。

 

このように所得税を計算するには様々な計算が複雑に絡み合っています。確定申告をしなければならないか、その場合はどうすればいいかなど、詳しくはご相談ください。