横浜の税理士、上大岡の税理士、江口達郎のブログです。今回は所得税の予定納税についてです。
所得税の概要については、前回の記事をご覧ください。
所得税の予定納税が必要な事業者は、基本的には今年であれば平成28年の5月15日現在において確定している平成27年分の所得税の申告納税額(所得税の申告書の第一表㊺の額)が15万円以上である場合となっています。
この申告納税額には、譲渡所得、一時所得、雑所得がある場合や、平均課税を受けた臨時所得の金額や退職所得等の分離課税の所得がある場合、災害減免法の適用を受けている場合には、それについては控除したりして計算し、その予定納税基準額が15万円以上である場合は、予定納税が必要な事業者となります。
納める額は、予定納税基準額の1/3の金額で、第1期分を7月1日から7月31日までに、第2期分を11月1日から11月30日までに納めることになります。振替納税を行っている事業者は、第1期分は7月31日に、第2期分は11月30日に指定の口座から引き落としされます。
例えば振替納税を行っている事業者で予定納税基準額が356,800円だった場合は、その1/3である118,933円の100円未満切り捨ての118,900円が7月31日と11月30日に指定の口座から引き落とされます。振替納税を行っていない場合は、銀行等で納付を行います。
予定納税とはいっても、予定納税基準額が15万円以上だった場合には、納付の義務が生じますので、今年は業績不振で赤字予想で納付しなくてもいいと勝手に判断し、予定納税の減額申請等の手続きもせずに放置してしまうと、延滞税のペナルティが発生します。延滞が2カ月未満の場合は年2.8%で、2カ月以上の場合は年9.1%です。非常に高い利率なので、注意してください。
予定納税は所得税の前払いなので、平成28年の申告納税額が先ほどの例でいうと118,900円×2の237,800円に満たなかった場合には還付されます。
例えば平成28年の申告納税額が20万円だった場合、37,800円が納めすぎているので、その額が還付となり、さらに年1.8%の利息がついた還付加算金とともに還付となります。なので、減額申請をせずに予定納税を行い、還付加算金を取りに行くのも一つの有効な手段だと考えられます。
予定納税額の減額を受ける場合には「予定納税額の減額申請書」を一定期間までに提出しなければならないので、詳しくはご相談ください。