横浜の税理士、上大岡の税理士、江口達郎のブログです。今回は個人事業税についてです。

当事務所は神奈川県にあるので、神奈川県での事例で話を進めていきたいと思います。

まず納める人は、以下の法定業種の事業を営んでいる個人で、簡単にいうと青色申告特別控除額(10万円or65万円)前と専従者給与を除いた事業所得が290万円以上の個人事業主に納付の義務が生じます。

  • 第1種事業

税率 5%

課税対象となる事業

(法定業種)

物品販売業 保険業 金銭貸付業 物品貸付業 不動産貸付業
製造業 電気供給業 土石採取業 電気通信事業 運送業
運送取扱業 船舶ていけい場業 倉庫業 駐車場業 請負業
印刷業 出版業 写真業 席貸業 旅館業
料理店業 飲食店業 周旋業 代理業 仲立業
問屋業 両替業 公衆浴場業(第3種事業以外のもの) 演劇興行業
遊技場業 遊覧所業 商品取引業 不動産売買業 広告業
興信所業 案内業 冠婚葬祭業

 ・第2種事業

 税率 4%

課税対象となる事業

(法定業種)

畜産業 水産業 薪炭製造業

 

  • 第3種事業

税率 5%

課税対象となる事業

(法定業種)

医業 歯科医業 薬剤師業 獣医業 弁護士業
司法書士業 行政書士業 公証人業 弁理士業 税理士業
公認会計士業 計理士業 社会保険労務士業 コンサルタント業 設計監督者業
不動産鑑定業 デザイン業 諸芸師匠業 理容業 美容業
クリーニング業 公衆浴場業(銭湯) 歯科衛生士業 歯科技工士業 測量士業
土地家屋調査士業 海事代理士業 印刷製版業

税率 3%

課税対象となる事業

(法定業種)

あん摩・マッサージまたは指圧・はり・きゅう・柔道整復

その他の医業に類する事業

装蹄師業

神奈川県 個人事業税ホームページより

不動産貸付業・駐車場業の場合と請負業の場合は、判定の要件があります。

納める事業税の額の計算方法は

収入-経費-事業専従者控除(専従者給与)-事業主控除(290万円)で算出された金額に上記の業種に係る税率を掛けて計算します。

例えば飲食店業を営んでいる場合は、第1種事業に該当し税率は5%となります。平成27年の収入800万円、経費300万円、専従者給与96万円を支払っていた事業年度であれば、(800万円-300万円-96万円-290万円)×5%=57,000円が平成28年に支払う義務が生じます。

申告期限は確定申告と同じ3月15日までですが、所得税の確定申告書あるいは道府県・市町村民税の申告書を提出した場合には、個人事業税の申告書を提出する必要はありません。

納付方法は8月末と11月末の2回に分けての納付で、納付書が県から送付されます。原則は年に2回の納付ですが、税額が1万円以下の場合は8月に全額を納めることとなります。また、個人事業税は事業を行う上で発生したものなので、支払った年に経費に算入することができます!この点については忘れやすい点、勘違いしやすい点でもあるので、注意してください。ちなみに所得税や住民税は所得に対して課税されるものなので、経費に算入することはできません。

控除の対象は事業専従者控除と事業主控除以外にも、青色申告をしてい事業所得の損失の繰り越しをしている場合には、その額も控除として使えたり、被災事業用資産の損失の繰越控除や事業用資産の譲渡損失控除および譲渡損失の繰越控除もあります。医業、歯科医師業または獣医業を営む方には委託事業減免の申請をすることにより、減免を受けることができます。また、事業主控除は事業年度が1年未満の場合は月割計算を行います。

各種控除の適用の判断については難しい部分もございますので、詳しくはご相談ください。