横浜の税理士、上大岡の税理士、江口達郎のブログです。
ブログの更新がどんどん不定期になってきていますが、きちんと業務も広がっていき活動もしていますよ。
前々からいろいろ研修にも参加してますが、どんな研修に出ているかご紹介。
今日は税理士会館8階にて研修に参加してきました。今日のお題は「不動産(有価証券)譲渡の取得費が不明の場合の実務対応」という、6月には申し込んでいたもの。この内容は、個人の申告に対して有効なもの。法人であれば貸借対照表に簿価として金額が計上されているので、取得費がわからないということは通常はありえない、とのことでした。
通常は取得費が不明の場合は、収入金額の5%を取得費とみなして計算するという規定があります。
相続等で先祖伝来の土地を売ったということであれば、収入金額の5%を取得費とした方が有利となりますが、最近買ったもので取得費の金額がわからない場合は、5%でやると実際の取得費と著しくかけ離れてしまい、納税者が不利となってしまいます。これではたまったものではないので、どうにかならないか、解決法はどうするのか、という内容でした。
結論からいえば、頑張っていろいろな手段を使って、その購入時の売買契約書を手に入れる。もし、出来なかった場合は推計計算で求める。しかし、その推計計算も裏付けを綿密にとる。その際にはどういう指数を使用するか、どのように材料を集めるかという内容で、かなり参考になりました1
この推計計算をやってくれる税理士もなかなかいないらしく、講師の方が今まで7.8人の税理士に相談したけどみんなに5%を使うと言われたけど、それ以外のやり方を言ってくれた税理士は初めてだ、とも言っていました。それだけ慎重になるものだとも感じました。
また、当初申告(一番初めに税務署に提出する申告)で推計計算をしないと、適用がほぼ認められないとおっしゃっていました。更正の請求で推計計算を明示しても当初申告で5%を使っていると、その5%を使った計算方法は税務的に間違いではなく、申告内容が事実に反しているとはいえないため、認められなかったと裁判の判決事例でも出ている、とのことでした。
調べるのにも、時間がかかります。確定申告書の提出期限は翌年の2/16~3/15ですが、確定申告書の提出のために必要な資料集め自体は売った時、または売ろうと思った時から準備はできます。早く動けばいい資料も集まる可能性も高いですし、結果的に納税額も低く抑えれる可能性も高くなります。
もし、土地や建物の取得費がわからないという方がいらっしゃいましたら、収入金額の5%を取得費とする以外の申告もできる可能性があります。判断については難しい部分もございますので、詳しくはご相談ください。