横浜の税理士、上大岡の税理士、江口達郎のブログです。今回は消費税についてです。

まずは税率から。平成26年4月1日から消費税の税率は8%となっていますが、厳密にいうと消費税率6.3%で地方消費税率1.7%(消費税額の17/63)で、合わせて8%というのが正解です。平成9年4月1日からの5%の時代は消費税率4%で地方消費税率1%(消費税額の25/100)、平成元年4月1日からの3%の時代は消費税率3%で地方消費税率0%でした。

また引き上げるか据え置くか議論されている消費税率が、現在の予定通り平成29年4月1日から引き上げにより10%の税率となった場合には、消費税率7.8%で地方消費税率2.2%(消費税額の22/78)で、合わせて10%となります。

 

消費税はどのようなものに課税されているか。「国内」において「事業者」が「事業」として「対価を得て」行う、「資産の譲渡・貸付・役務の提供」については、消費税(課税取引)がかかってきます。なので、プライベートでネットオークション等で購入した場合は、事業者が事業として行うものでないので、消費税はかかりません。

しかし、上記に該当する場合(課税取引)であっても、消費税を課すのになじまないものや、社会的政策配慮の観点から消費税を課さない、非課税取引というものがあります。土地の売買や保険料、健康保険法に基づく医療や居住用住宅の家賃などがこれにあてはまります。商品券や郵便切手類などは、買った時は非課税で使った時に初めて課税されるという考えのものもあります。

保税地域や輸出取引などは免税取引とされ、給与の支払や寄付金、保険金の受取などは不課税取引とされ、非課税取引と同様に消費税はかからない取引となります。

 

お店などで買い物や、エステなどの役務の提供を受けた場合に、消費税を合わせた金額を支払います。例えばプリンター(商品)10,000円+消費税800円の計10,800円を支払った場合、事業者であるお店が国に消費税を納めるのですが、ここで800円を国に納付するのではなく、プリンターを仕入れた際に商品代8,000円+消費税640円の計8,640円を支払っています。国には800円-640円の160円を支払うということになります。

これはあくまで例で、本来は課税期間中に行ったすべての取引をまとめて計算し、納付することになります。ちなみに、納付額1,000円未満は国税通則法の第9章雑則の第118条(国税の課税標準の端数計算等)規定によって、切り捨てとなります。

 

上記の計算方法は、原則課税制度といい、他にも基準期間における課税売上高が5,000万円以下の場合は簡易課税制度があります。簡易課税制度は、課税売上高が5,000万円以下の中小事業者は、事務の知識や煩雑さの観点から、課税売上高にみなし仕入率を掛けて消費税額を計算する方法です。

簡易課税制度を選択した場合のほうが有利な事業もあり、また事前に届出書の提出が義務付けられています。また原則課税制度も基準期間における課税売上高が5億円を超える場合や、課税売上割合が95%未満の場合には、上記の計算方法ではなく別の方法になります。これらの判断については難しい場合もありますので、詳しくはご相談ください。